大分空港の訪日客向け「客貨混載」 認知度不足 否めず

 大分空港(国東市)で、全国初となるインバウンド(訪日観光客)を対象にした「客貨混載(きゃくかこんさい)」が始まり、9カ月がたった。バスに手荷物を預け、大分市や別府市で手ぶら観光を楽しんでもらうサービス。関係者は「1日の利用者は3、4人程度」と認知度不足は否めない。今秋のラグビーワールドカップ開催も控え、PRに力を入れる。

 「助かります。とても便利で効率的ですね」。空港ビル1階にある窓口。12月上旬、韓国から別府市に温泉旅行へ来た会社員のコン・クン・ヘイさん(30)は母と祖母、自分のキャリーケースを預けた。スムーズに手続きが進み、手際よくバスのトランクに荷物が運び込まれた。
 同空港を出発したバスは乗客を降ろした後、ヤマト運輸の配送拠点(大分市豊海)へ荷物を運び、仕分ける。一方、利用者は荷物を載せたバスにそのまま乗ったり、別の交通機関を利用して目的地に向かう。チェックインまで手ぶら観光を楽しむことができる。荷物は当日の夕方までに別府・大分両市内の宿に宅配便で届ける仕組みだ。
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 観光客の満足度向上や消費活動の活性化につなげようと、ヤマト運輸(本社・東京都)、大分交通(大分市)、大分航空ターミナル(国東市)が共同で取り組む。
 荷物の受け取りや手続きを担当する大分航空ターミナルは「英語や韓国語に堪能なスタッフをそろえていて言葉の壁で苦労したことはない」という。
 同空港は韓国との定期便を運航する。県内のインバウンドも増加傾向をたどり、県によると2017年は韓国からの宿泊客は55万人を超えた。ヤマト運輸大分主管支店によると、利用者は徐々に伸びており、韓国人が多いとう。中島修一支店長は「運営はスムーズ。宅配便や輸送サービスが充実している日本だから実現できた」と話す。
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 12月からは韓国の格安航空会社(LCC)ティーウェイ航空の大分―釜山(プサン)、大分―務安(ムアン)の定期便が就航した。今年は県内でも開催するラグビーワールドカップが控える。注目カードがあり、インバウンドへの需要増加が見込まれる。
 利用を促すためには、客貨混載を事前に周知する活動と、外国で普及が進むキャッシュレス化は避けては通れない課題だ。関係者は「韓国に帰る利用者に(次回、利用してもらうために)チラシを配っている。キャッシュレス化も検討したい」と話している。 
高齢地域では 欠かせぬ存在
 本来、タクシーで荷物だけを運んだり、トラックに旅客を有料で乗せることを「貨客混載」と呼ぶ。
 過疎地域の人口減少に伴う運送業の担い手不足や、輸送需要の減少を理由に国土交通省が推進する。2017年、乗り合いバスは全国で、バスやタクシーの運送業務は過疎地域限定で解禁した。
 公共交通の維持が難しい地域では生活に支障が生じるため、貨物のみの運送解禁を求める声が上がった。県内でも大分市の一部地域や国東市、姫島村といった14地域が対象になっている。
 国東市のタクシー会社によると、高齢者から「病院に薬を取りに行って、家まで運んでほしい」との要望があり、対応したという。
 今後も高齢化が進む地域では欠かせない存在になりそうだ。観光を対象にした「貨客混載」は、そこから派生したサービスとなる。

2019年1月10日

探(SAGURU)おおいた

大分の話題を深掘りして、さまざまな現状に迫るルポルタージュです。 木曜夕刊1面に掲載。 日ごろ表に出ることの少ない社会の裏側や弱者、困っている人、記者が疑問も思うことなどに密着取材して、現場から伝えます。

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