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水上で戦う元体操選手 別府市出身のボートレーサー佐藤謙史朗

 別府市出身のボートレーサー、佐藤謙史朗(30)=日本モーターボート競走会福岡支部=は、2008年の大分国体で活躍した元体操選手という異色の経歴の持ち主だ。レーサーになって7年目。トップ選手入りと大きな大会での優勝を目指し、全速力でコースを駆け抜けている。
 8月下旬の福岡県のボートレース場。佐藤は時速80キロで水面を疾走するボートの上で前傾姿勢になって立ち上がった。速度を落とさず旋回する「モンキーターン」だ。練習で勝負の鍵を握る旋回などを繰り返した。「レースは結果が求められるが、実は争いごとは苦手なんです」。ボートを降りると勝負師から普段の温和な表情に戻った。
 子どもの頃はボートレーサーになるとは思ってもいなかった。小学3年生から始めた体操に熱中。日本体育大在学時に出場した大分国体で、県勢成年男子の42年ぶりの入賞に貢献。卒業後も実業団に進むことを考えていた。だが、のちに五輪で2連覇した大学同期の内村航平が急成長する姿に「とてもかなわない」と痛感。続けるのをあきらめ、幼い頃にあこがれていた消防士になる決意をした―はずだった。
 妹を通じてボートレーサーの存在を知った母親から「運動神経も良く体重も軽いので合っているのでは」と声を掛けられた。初めてレースの動画を見て「純粋にかっこよかった」と心を動かされ、アスリート魂に再び火が付いた。レーサー養成所(福岡)の受験を決意し、2度目となった2011年秋、合格率約40倍の難関をくぐり抜けた。
 1年間の厳しい養成所生活を経て12年11月にデビュー。当初は出走しても最下位の日々が続いた。それでも「体操と同様に頑張れば必ず結果につながる」と操縦やエンジン整備の技術を鍛えた。転機は16年。結婚をして「家族のために頑張らなくては」という気持ちの変化は結果にも表れ始め、今春、初めて優勝戦に進出。結果は4着だったが「高いレベルの中で勝負できた」と手応えを感じている。
 県出身のボートレーサーは佐藤を含め現在わずか4人。「もっと多くの人に競技を知ってほしい」と1カ月に1度は帰省し、高校などで講演会を開くなど普及活動にも力を入れる。現在、4ランクある選手区分の下から2番目のB1級。トップ昇格に向けた道のりが今後も続く。「これまで支えてくれた人に勝つことで恩返ししていきたい」と笑顔で話した。 

<メモ>
 ボートレースは公営競技の一つ。1周600メートルのコースを3周し、着順を競う。男女のハンディはなく同じレースで競うこともある。半年ごとの成績によって上からA1級、A2級、B1級、B2級の4ランクに分かれる。年2回あるボートレーサー養成所の入所試験に合格後、1年間の厳しい訓練と資格検定試験を経てデビューとなる。現在1593人(男子1375人、女子218人)が活躍している。
※この記事は、9月17日大分合同新聞朝刊12ページに掲載されています。
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