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ビールを切らすな! “ラグビーW杯特需”に現場奔走

切り拓け―おおいた新時代 第10部 開幕前夜

 店内を彩る万国旗。テーブルに置かれたラグビーボールが「豪傑たち」を待っている。
 13日夜、大分市中央町のアイリッシュパブ「THE HIVE(ハイヴ)」。いつも通りにビールを振る舞う英国風の店は、開幕が近づくラグビーワールドカップ(W杯)の雰囲気に染まりつつあった。
 約130人のウェールズ人がチームの試合日を押さえるなど、予約は続々と舞い込んでいる。本番までに普段の6倍に相当するビールを確保し、サーバーも増やす予定だ。
 「ビールのたるは十数キロの重さがある。幾つ運ぶことになるのか…」。アルバイトの美坂(みさか)龍悟(19)は苦笑いする。
 でも――。「店が外国の人でいっぱいになるなんて、わくわくする」

 海外のラグビーファンは観戦の前後、試合中と常にジョッキやグラスを離さない。大会組織委員会によると、ビールの消費量はサッカーファンの6倍に上る、という調査もある。
 とりわけ英国人はひときわ胃袋が大きいとされる。昭和電工ドーム大分(同市横尾)では10月9日の予選リーグにウェールズが登場し、同19、20日の準々決勝にイングランドが勝ち上がる可能性が高い。
 伝統チームは筋金入りのファンを引き連れて来るだろう。過去のW杯で何度も報じられてきた「在庫切れ」が現実味を帯びる。
 「ビールの準備は開催都市の評判に直結する」。組織委事務総長代理、ミック・ライト(56)の言葉は冗談とも本気ともつかない。

 「観戦客がスタジアム以外で飲み干すビールの県内消費額は、試合がある5日間で3千万円相当に上るとみている」
 同市都町などに酒類を販売する舞鶴酒販(同市今津留)の企画・営業・総務係長、松井祐樹(38)はW杯特需を見込む。「ビールがなくなった」「早く持って来てくれ」―。取引先からのSOSに備え、在庫を保管する臨時の倉庫を市内2カ所に確保した。
 同市中央町の居酒屋「和酒バルえび蔵」は大分開催の初戦を迎える同2日から、4リットル入りのビールサーバーをメニューに加える予定だ。
 インパクトのある見た目と、自分たちでグラスに注ぐ楽しさで祭り気分を盛り上げ、同時に給仕や洗い物の負担を抑える一挙両得のアイデア。ただ、「飲み放題」は採算性を考えて宣伝を控えることにしている。

 同市府内町でクラフトビール専門店「モンキーマウンテン」を営む米国出身のダレン・エーバーグ(50)は開幕が待ち遠しい。
 試合が続く10月の約20日間のために用意するのは、通常の5倍に当たる1500リットル。造りだめに汗を流す日々だ。「ラグビーファンが半端なく飲むのは知っている。気分よく酔わせてみせるさ」
 大分の街からビールは消えるのか。挑む客と受けて立つ店。こちらも間もなくキックオフの笛が鳴る。

 ラグビーW杯を切り口に大分県の未来を探る年間企画「切り拓け おおいた新時代」の連載第10部は、大会の開幕を目前に控えた各現場の「いま」をルポする。
※この記事は、9月15日大分合同新聞朝刊25ページに掲載されています。
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