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熱狂オールブラックス NZに根付く「観戦は文化」

切り拓け―おおいた新時代 特別連載NZリポート

 オールブラックスを迎える朝、街は浮き立つような気分に包まれていた。
 今月7日、ニュージーランド(NZ)北部の都市ハミルトン。2週間後に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に向け、この地のワイカトスタジアムでNZ代表チームの最後の強化試合となるトンガ戦が迫っていた。
 ホイッスルは午後2時35分に鳴る。スタジアムの周りには午前9時半ごろから人が集まり始めた。「オールブラックスの試合を見るのは初めて。わくわくして、開場の2時間も前に来たの」。地元の女性(37)はうれしそうに足を進めた。

 スタジアムに近いパブ「スパイツ・エール・ハウス」の開店は、いつもより1時間早い午前10時半だった。扉が開くと、店の前で待っていた黒いジャージー姿のグループ客が飛び込んでいった。
 オークランド市から来た会社員ロバート・ヒギンス(31)は仲間たちと乾杯した。観戦の日には必ずパブに寄る。「ビールを飲んでウオームアップするんだ。わいわい騒いで、心を開きたいからね」
 まずグラスで1杯、それからスタジアムで3杯。「試合が終わったらパブに戻ってきて3杯……、いや6杯かな」と笑った。

 正午ごろ、オールブラックスOBらの前座試合が始まった。店内は既に歩くのに苦労するほど混み合っている。スクリーンの中でトライが決まると、あちこちで歓声が上がる。空のグラスが、どんどんカウンターに積み上がっていく。
 幼い息子を連れてきた父親のブライス・ヒッキー(32)は、10人ほどの友人とテーブルを囲み、フィッシュアンドチップスをつまんでいた。
 「NZで生まれたらみんなラグビーを見て、プレーして育つ。俺にとっては人生の全てと言ってもいい。こうして過ごす時間は本当に素晴らしいんだ」
 スタジアムの上空は爽やかな青空が広がった。キックオフを前に、NZは「ハカ」、トンガは「シピタウ」と呼ぶ伝統のウオークライ(民族舞踊)で気勢を上げた。約2万3千人のファンは大喝采を送り、熱気が高まっていく。

 スタンドはにぎやかだった。老若男女にかかわらず、周りの人たちと冗談を交わし、笑い声が絶えない。好プレーには飛び上がって喜ぶ。
 近くに住む男性ファン(46)は、トライが決まるたびに流れるロックやポップスのヒット曲を楽しそうに口ずさんだ。「ラグビー観戦はNZの文化だね」。終始にこやかにピッチを見詰めた。
 試合はオールブラックスが92―7で圧倒した。群衆は黒い応援旗を振りながらスタジアムを後にする。
 パブは再び、騒がしくなった。生ビールをあおる人たちの声は、昼間より一段と大きい。
 興奮の延長戦が続いた。
 
 ラグビーW杯日本大会は20日に開幕し、5試合がある大分は10月2日に初戦(NZ―カナダ)を迎える。ラグビー王国で大会直前の熱気に触れ、知られざる大分との「縁」を訪ねた。
※この記事は、9月13日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。
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