大分合同新聞納涼花火シリーズ2019

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音のない世界駆ける 「デフサッカー広めたい」

令和 新時代を生きる

 審判が合図で振るフラッグの音が際立つ静かな試合。デフ(聴覚障害)サッカーの選手たちは、手話、ジェスチャー、アイコンタクトでボールを操り、音のない世界を駆ける。
 渡辺亮平さん(30)はデフサッカー日本代表チームの中心選手として、得意のドリブルを武器に、国際舞台で活躍している。
 聞こえないことで意思疎通が難しく、激しい運動が危険なイメージもあり、聴覚障害のある人がスポーツに親しむ環境は整っていない。渡辺さんは「難聴の子どもたちに体を動かす楽しさ、仲間と協力する大切さを身をもって伝えたい」と、練習や仕事の合間に毎月1回、大分市で聴覚障害児にサッカーを教える。
 自身は先天性の難聴。サッカーは、小学2年の時、2歳上の兄の影響で始め、地元佐伯のチームで健聴者と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。「僕もコミュニケーションが苦手で、兄に間に入ってもらっていた。監督にも親身に教えてもらい、運が良かった」と幼少期を振り返る。
 「最後まで諦めない!」「考えて!考えて!」。指導に当たる渡辺さんは、子どもの目を見て、身振り手振りで訴える。「大分から世界で戦う選手を」と熱が入る。
 補聴器などを外してプレーするデフサッカーでは、周囲の声が聞こえず連携がより難しい。多くの選手が個人プレーに走りがちになるが、国際大会では、体格のいい海外選手のパワープレーに苦戦する。大人になってサッカーを始めた選手が多い中、「子どもの頃から続ける自分が引っ張り、チームの連携を強めなければ」。世界一を見据える。
 一方で、遠征費など資金面での自己負担は大きい。製造業の障害者雇用で働きながらの練習は、体調管理にも気を使う。日本代表としての勇姿を子どもたちに見せ、デフサッカーの魅力を広めることが、今まで支えてくれた人たちへの恩返しにもなるはず。その思いを逆境に向かう原動力に変える。「でも、一番の理由はサッカーが好きだから」。白い歯を見せた。 

 わたなべ・りょうへい 1989年佐伯市出身。在住する大分市のサッカーチームSOLFCに所属。聴覚障害児を支援する同市のNPO法人シェリムボートの活動に協力している。

<メモ>
 日本サッカー協会によるとデフサッカーの競技人口は国内に約200人。今年11月に香港であるアジア大会で3位以内に入賞すると、2021年のデフリンピック出場権を得られる。デフリンピックは、聴覚障害者のための世界規模の総合スポーツ大会で、競技会場では練習中を含め補聴器などの装用は禁止。対面でも声が聞き取りにくいといった55デシベルを超える聴力損失の人に参加資格がある。障害者の五輪「パラリンピック」には、趣旨の相違などを理由に、聴覚障害者は参加できない状態が続いている。
※この記事は、7月9日大分合同新聞朝刊20ページに掲載されています。
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