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杵築市の樹の実園 障害のある田中忠さん 水戸黄門演じ25年

 指定障害福祉サービス事業所「樹の実園」(杵築市)が福祉イベントで披露してきた寸劇の中で、約25年にわたり主役の水戸黄門を演じてきた施設利用者の田中忠さん(49)=日出町川崎=が年齢などを理由に舞台を降りる。諸国漫遊と世直しをしながら障害者と健常者の懸け橋になり続けた旅路の区切り。後進に大役と思いを引き継ぐことを決めている。

 施設利用者が出演する同劇は1994年12月に始まり、年数回、県内の催しで披露されてきた。旅の途中に特殊詐欺や環境汚染などの悪事、社会問題を黄門一行がただすというのが基本の筋書きで、出演者一同のダンスも恒例となっている。
 初演時から主役を務めてきた田中さんは重度の知的障害があり、ダウン症でもある。通所先の施設では生活介護を受けながら仲間と公園清掃や和紙はがき作りなどに励んでいる。
 「助さん、格さん。懲らしめてやりなさい」。ナレーションのせりふに合わせ、手のひらを突き出す黄門さま。言葉は発せないが、伸び伸びと演じる様子はベテランの貫禄十分だ。施設の小野落周(おのおちまこと)園長(56)は「安心して任せられる。衣装に袖を通した瞬間、気持ちが切り替わるのが分かる」。
 「水戸黄門といえば田中さん」と広く認知されるほど象徴的存在だったが、2019年が50歳の節目であり、若い世代に託してほしいという家族の意向を受け、「あったかチャンコチャリティーショー」(10日・日出町中央公民館、入場には券の購入が必要)を最後に“卒業”が決まった。
 坪田京子実行委員長(78)は「せりふがなくても胸に訴えかける力があった。感謝しかない」とねぎらった。
 田中さんは劇から離れた後も各催しには参加し、今後は観客席から仲間たちを見守るという。小野落園長は「障害がありながら打ち込んできた彼の意志を受け継げるよう頑張りたい」と力を込めた。
※この記事は、2月8日大分合同新聞朝刊9ページに掲載されています。
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