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東龍、死闘制し決勝へ 全日本高校バレー

金蘭会と13日決戦

 バレーボールの全日本高校選手権第4日は12日、東京都の調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで男女の準決勝4試合があった。
 県代表女子の東九州龍谷は、全国高校総体、国体との高校3冠の懸かる下北沢成徳(東京)をフルセットの末に下し、2大会連続の決勝進出を決めた。
 このほか、男子は清風(大阪)が2連覇を狙った鎮西(熊本)に3―0で快勝し、前回準優勝の洛南(京都)は全国高校総体決勝で屈した市尼崎(兵庫)に3―0で雪辱を果たした。
 女子のもう1試合は2連覇が懸かる金蘭会(大阪)が八王子実践(東京)にストレート勝ちした。
 最終日の13日は同会場で男女の決勝がある。東九州龍谷は7年ぶりの栄冠を目指し、前回決勝で敗れた金蘭会とのリベンジマッチに臨む。

 こんなところで終われない|。セットカウント1―2で迎えた後のない第4セットから東九州龍谷が底力を発揮した。連続でセットを奪い、高校3冠を狙っていた下北沢成徳(東京)を撃破。日本一だけを目標に鍛錬を重ねるチームがついに決勝に駒を進めた。
 第3セットを19―25で落とした直後、平山詩嫣主将(3年)は昨夏の全国高校総体、少年女子として臨んだ福井国体の3位という悔しい記憶が一瞬、脳裏によみがえった。第1セットを先取したが、第2、第3セットは厳しいマークで思うようなプレーができていなかった。
 高校最後の大会という重圧の中、「逃げ腰の自分」(平山主将)が顔をのぞかせかけていたという。ただ顔を上げると、諦めている仲間は誰もいなかった。合屋咲希(同)や梅津憂理(同)らの「絶対に大丈夫」「ここから」という声掛けが自然と広がり、「(勝つことだけに)夢中になれた」(平山主将)。
 追い込まれてからの底力は鍛錬のたまものだった。「今まではセットを取られた後に焦ってずるずると負けてきた。だから冷静になろうと心に決めていた」というセッター園田風音(同)の言葉通り、第4セットは培ってきた戦術をフル活用。アタッカー陣の身長は全国的に低いが、コートを目いっぱいに使った速いトスで、生命線でもあるライトからの室岡莉乃(1年)の強打などを生かし、25―23で取って試合を振り出しに戻すことに成功した。
 魂で持ち込んだ15点勝負の第5セットは精神面で相手を追い詰めた。ミスを誘いながら優位に試合を進め、最後は「絶対に決めてほしい」という園田の願いを込めたトスに平山主将が応えた。自慢のクロスを力強くたたき込んで決着。大激戦を制した選手たちの目からは自然と涙が伝った。
 目指す日本一まであと一つ。最後の相手は前回大会決勝で敗れた金蘭会(大阪)。平山主将は「絶対にリベンジする」と、決勝に向けて闘志をみなぎらせた。

 フルセットの大激戦を制して決勝進出を果たした東九州龍谷。「指導してきた中で、過去最高の試合」と相原昇監督が振り返った通り、綿密な対策に裏付けされたチーム一丸の勝利だった。
 準々決勝(7日)終了後、チームは昨夏の全国総体準決勝で敗れた相手対策を練り直した。顔の向いている方向と反対に強打を打ってくる傾向などを踏まえ、膝を大きく曲げてレシーブするなど、守りから形をつくることを徹底した。
 成果はいきなり表れた。吉田鈴奈(2年)らが「練習通りに動けた」と粘り強いレシーブでボールを上げた。また「読みが的中した」という荒木彩花(同)の要所でのブロックも決まり、セット先取につなげた。
 第2、第3セットを落としたが、第4セット以降は「相手は強く、最初からフルセットで戦うことを想定していた」(相原監督)ことが生きた。
 練習時から掲げ続けた戦術ポイントを記したボードで、勝つための約束事を再確認。
 厳しい状況は続いたが、普段通りの動きで狙い通りに僅差の勝負をものにした。
 合屋咲希(3年)は「負ける気がしなかった。むしろいつも以上に冷静でいられた」と話していた。

(焦らず快勝)
 金蘭会は快勝で2大会連続の決勝に進んだ。宮部、西川有ら力のある攻撃陣が好調で、第1、第2セットを10点差で奪った。第3セットは16―21とリードされたが、そこから驚異の追い上げを見せ28―26で制した。主将のセッター中川は「3セット目のような場面が来ると思っていた。焦らずに1点1点集中できた」と納得顔。
 前回の優勝を知るメンバーが多く残るが、総体と国体では決勝で屈した。池条監督は「連覇という気持ちはない」と気を引き締めた。

 ▽女子準決勝
東九州龍谷 3―2 下北沢成徳(東京)

 【評】息詰まる大熱戦を制した東九州龍谷が下北沢成徳の高校3冠を阻んで決勝に進んだ。
 東九州龍谷は第1セット、平山の速攻や梅津の強打で引き離し、25―21で先取した。だが第2セットは23―25、第3セットは19―25と相手の高さとパワーに押されて落とした。
 それでも後のない第4セット、合屋、室岡らの速い攻撃が機能し、25―23で試合をタイに戻した。勝負の第5セットは着実に得点を重ね、15―13で粘る相手を振り切って勝負を決めた。
※この記事は、1月13日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。
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