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1年で通常の1.6倍 「緑の光」県がヒラメで成長検証

 県は、緑色の光を当てることで養殖ヒラメの成長を促進する新技術の検証に取り組んでいる。北里大学などが開発した技術を活用。実験で、飼育開始1年後には通常のヒラメに比べ、約1・6倍の重さに育つという結果が出た。生産量全国2位の大分県のヒラメ養殖への活用が期待される。一方で、導入に向けては新たに特別な照明の整備が必要で、コストがかかるといった課題もある。

 緑色光を当てる技術は同大学の高橋明義教授らのグループが開発。カレイの稚魚での研究から始まり、ヒラメでも同様の効果があると報告されている。研究によると、緑色光に食欲を増すホルモンの分泌を促す効果があるという。
 県は2017年度から緑色ライトを使ったヒラメ養殖実験を開始。同大学などの研究は稚魚の段階までだったため、出荷可能な成魚になるまでの長期の成長過程を検証した。
 18年度は緑色光と自然光の2グループに分け、各600匹ずつ縦横4・5メートルの水槽で飼育。同大学と連携した企業が開発した特定の波長の緑色発光ダイオード(LED)ライトを3台設置した水槽では、日中12時間光を当てた。県によると、緑色光のグループは餌を食べる量が多く、2、3カ月後には体重に差が出始めた。
 実験結果を基にした試算では、通常は1年程度かかる出荷までの養殖期間を、3~4カ月短縮できる見込み。単位量の餌に対する体重増加率も緑色光の方が高かった。切り身の食感や味、水分量などは、自然光養殖と違いがなかったという。
 「出荷までの期間を短縮できれば、病気などで魚が死ぬリスクを減らすことができる。効率的で低コストな養殖につなげられる」と県農林水産研究指導センターの担当者。
 実験に協力した深良津二世養殖漁業生産組合=津久見市=の竹尾久信さん(70)は「見る見る大きくなっていった」と効果を評価。一方で「ライトが高価で現在の価格では導入は難しい。通常養殖のヒラメに比べて体色が濃くなる傾向があるので、市場評価も気になる」と課題を挙げた。
 ライトは19年中には価格を抑えた養殖向け製品が発売される見込み。同センターは「研究で稚魚から成魚に育てる段階でも緑色ライトは有効だと確認できた。成果を県内の養殖業者に情報提供していきたい」としている。
※この記事は、1月12日大分合同新聞朝刊5ページに掲載されています。
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