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全館再開「歴史つなぐ」 地震で被災、旅館「ゑびす屋」

 2016年4月の熊本・大分地震で被災した別府市明礬の老舗旅館「ゑびす屋旅館」の本館が11日、建て替え工事を終えてリニューアルオープンした。明治時代から続く歴史をつなぐために本田麻也社長(53)が再建を決断。屋号を「御宿ゑびす屋」に変更し、地獄蒸しが体験できる釜を新設した。全館の営業再開は2年8カ月ぶり。

 16年4月16日未明に発生した地震で市内は観測史上最大の震度6弱を記録。ゑびす屋は擁壁が崩れて本館が傾き、隣接する温泉施設の岩風呂に亀裂が入るなどの被害を受けた。
 地震後、知人や学生らの手助けを受けながら復旧作業を進め、大型連休前の4月29日に一部営業再開にこぎ着けた。しかし、その後の調査で土台が崩れた本館は全面的な建て替えが必要だということが判明した。
 修繕した温泉施設と被害を免れた別館(3部屋・素泊まりのみ)で営業を続けてきたが、1874(明治7)年から続く歴史を守るために高額の建設費用が必要な本館の再建を決め、1年ほど前から工事を進めてきた。
 新築した本館は以前と同じ6部屋で、各部屋には屋号のえびすを除いた6柱の七福神の名前を付けた。従来は1泊2食付きのプランで提供していたが、新築に伴いサービス内容を変更。素泊まりを基本に、夜は蒸し釜で調理を体験して地獄蒸し料理を味わってもらう。宿泊客同士が交流を深めながら食事を楽しむことができるよう「宝船」と名付けた食堂兼コミュニティールームやテラスも設けた。
 本田社長は「不安もあったが、多くの人の支えでここまで来ることができた。人と人とがつながり、みんなで集って幸せになる。そんな場所を目指して頑張りたい」と決意を新たにしている。
※この記事は、1月12日大分合同新聞朝刊10ページに掲載されています。
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