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割れた高裁判決確定 県教委汚職10年

 2008年の大分県教委汚職事件で発覚した教員の採用問題を巡り、不正な加点で合格したとして採用を取り消された男性(40)と秦聖一郎さん(32)がそれぞれ県に処分撤回を求めた二つの訴訟で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)はいずれも上告を退ける決定をした。同じ処分に対して男性は違法、秦さんは適法と司法判断が割れた二審福岡高裁判決が確定した。決定は28日付。
 男性の処分が違法と認定されたことで、不正合格だったとして対象教諭21人の身分を奪った県教委の当時の対応は、法的な正当性が崩れることになった。一方、最高裁は両訴訟で統一した判断を示さず、結論が分かれた理由は明らかにならなかった。
 問題となったのは、県教委幹部による得点操作が判明した08年度採用試験(07年実施)。2人は不正な加点があったとされたが「自分は不正に関わっていない」として09年、大分地裁にそれぞれ提訴した。
 男性の訴訟は一、二審判決とも「採用取り消し処分で被る不利益は大きい」とし、処分は違法と認定。県側が16年9月に上告した。
 秦さんについて高裁は、得点の改ざんは大学時代の教授の口利きがあったとして「不公平さは看過できない」と判断、一審大分地裁判決を支持した。秦さんは17年6月に上告した。
 いずれについても最高裁は、上告が認められる憲法違反などの理由に当たらないとして退けた。
 確定判決は2人の損害賠償請求を認め、男性に33万円、秦さんに400万円を支払うよう県に命じた。採用自体に関しては、2人とも本来は合格点に達していなかったとして適法とは認めなかった。
 男性は15年度試験に合格し、現在は県内の中学教諭。秦さんは首都圏で採用試験を受け、本年度から小学教諭となった。
 一連の事件では捜査を発端に、採用試験で不正な合格依頼や口利きによる得点操作が横行していたことが明るみになった。県教委は07、08年度試験の得点データを復元し、うち08年度試験で21人を不正合格と判断。自主退職に応じなかった6人を採用取り消し処分にした。 

慎重に審議尽くした
 工藤利明県教育長の話 採用取り消しはいずれも教育委員会で慎重に審議を尽くした。男性教諭の事案は県側の主張が認められず、厳しい決定と受け止めている。相手方(秦聖一郎さん)が上告した事案は県側の処分が適法と認められ、妥当だと考えている。

明確な「答え」示さず
 ◆解説◆教員採用の取り消し処分を巡る二つの訴訟は、司法判断が割れたまま終結した。組織ぐるみで不正を繰り返した県教委が、身に覚えのない教諭らの身分を奪えるのか。裁判所は個々のケースで別々の判断を示したのみで、根源的な問いに答えは出なかった。
 男性は処分の撤回が認められ、秦さんは認められなかった。採用取り消しを受けた同じ立場の2人は明暗が分かれた。
 秦さんは大学時代に参加した勉強会の教授が、本人の知らない間に口利きをした結果、得点が加算されたという。一方、男性は不正の過程が明らかにならなかった。こうした背景が判断に影響を与えたとの見方もあるが、2人の人生を左右する明確な理由が示されたとは言えない。
 男性への処分を「違法」とした判決が確定した影響は大きい。県教委が08年度採用試験で不正合格と判断した受験者は21人。自主退職か採用取り消しかを迫った対応は、改めて問題視される可能性もある。
 県教委は「厳しい決定だと受け止めている」と教育長名のコメントを出した。多くの人の人生を翻弄(ほんろう)した責任はあまりに重い。
※この記事は、6月30日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。

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