『英国総督 最後の家』 インド独立前夜の激動を、悲恋物語を絡め描く

 地味で味気ない邦題は、恐らくイギリス好き、あるいはイギリス映画好きをターゲットに据えた結果だろう。原題は「Viceroy’s House(総督の家)」。けれども、舞台はインドだ。1947年、イギリスによる植民地支配からインドが解放されるまでの激動の6カ月間を扱っている。

 軸となるのは2つ。1つは、最後のインド総督の任に就いたマウントバッテン卿とその妻が、宗教対立が激化する中、円滑な主権譲渡のために奮闘するというもの。もう1つは、総督の下で働く若いインド人男女の恋の行方だ。前者は、政治絡みのサスペンスを孕みながら、現代の移民・難民問題を照射する。それに対して後者は、宗教的に対立する家系がもたらす悲恋物語という『ロミオとジュリエット』を彷彿とさせる内容なので、日本の観客にもなじみやすいはず。実際、「おおロミオ!」という独白こそないものの窓越しに相手を見るカットなど演出面でも意識されている気がする。その上、2人の仲が接近するたびに障害が立ちふさがる展開は、日本人が大好きなメロドラマのセオリーといっていい。

 監督は、『ベッカムに恋して』のインド系女性監督グリンダ・チャーダ。歴史ドラマとしてもラブストーリーとしても十分見応えはあるのだが、イギリス好き以外の層に劇場にまで足を運んでもらえるようなアピール要素が見当たらないところがネックだろう。★★★☆☆(外山真也)

監督・脚本:グリンダ・チャーダ

出演:ヒュー・ボネヴィル、ジリアン・アンダーソン、マニーシュ・ダヤール、フマー・クレイシー

8月11日(土)から全国順次公開

2018年8月7日

花まるシネマ

あなただけの名画が見つかるかも。銀幕への門を開こう

OPENCLOSE

速報ニュース

ニュースアクセスランキング 6時51分集計

ランキング一覧を見る

大分合同新聞ニュース絞り込み検索
記事の絞り込み検索が可能になりました!

期間選択
ジャンル選択
記事種別選択

大分県の天気

PM2.5情報
大分県の測定データ大分市の測定データ
大分合同福祉事業団
インターネットによる募金「かぼす募金」を受け付けています
ぶんぶん写真館
記者やカメラマンが撮影した写真を閲覧・購入できます。
大分合同新聞
販売店検索はこちら
お近くの販売店を今すぐ検索!
HELLO KITTY×大分合同新聞
おともだちカード
「大分合同新聞 HELLO KITTY」が大切なあなたの気持ちをお届けします。

全てのお知らせを見る

電子書籍のご案内

ページ上部へ戻る